新宮市高田にある近畿大学水産研究所・新宮実験場で研究・養殖されたコチョウザメの卵を使った「近大キャビア 紀州スターレット」の一般販売が、2026年9月14日(月)から始まりました。
「近大」と聞くと、養殖クロマグロの「近大マグロ」を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、新宮市でも30年以上にわたってチョウザメの研究が続けられています。
今回一般販売が始まった「紀州スターレット」は、そうした新宮実験場での研究成果を生かして生産される国産キャビアです。
この記事では、「近大キャビア 紀州スターレット」の特徴や価格、販売場所、新宮実験場で行われてきたチョウザメ研究について紹介します。
この記事でわかること
- 「近大キャビア 紀州スターレット」の特徴
- 一般販売の開始日や価格
- 新宮市高田と近大キャビアの関係
- キャビア生産に活用されている「超早期DNA性判別技術」
- 「紀州スターレット」を購入できる場所
近大キャビア「紀州スターレット」が一般販売開始
近畿大学水産研究所と近畿大学発ベンチャーの株式会社アーマリン近大は、2026年9月14日(月)から「近大キャビア 紀州スターレット」の一般販売を開始しました。
使用されているのは、新宮市高田にある近畿大学水産研究所・新宮実験場で研究・養殖されたコチョウザメ(スターレット)の卵です。
商品概要は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商品名 | 近大キャビア 紀州スターレット |
| 一般販売開始 | 2026年9月14日(月) |
| 内容量 | 10g |
| 原材料 | コチョウザメ魚卵(和歌山県産・養殖)、岩塩 |
| 化粧箱 | 8,100円(税込) |
| 保冷仕様 | 6,480円(税込) |
| 製造所 | 近畿大学水産研究所 新宮実験場 |
| 所在地 | 和歌山県新宮市高田1330 |
| 販売者 | 株式会社アーマリン近大 |
2025年12月からは地域のホテルやレストラン向けに業務用として先行販売されていました。
その後、2026年5月に、和歌山で長年研究してきた歩みと風土への敬意を込めて「紀州スターレット」へ名称を変更。生産体制が整ったことから、今回一般向けにも販売されることになりました。
岩塩のみを使用した無添加・非加熱の「生キャビア」
「近大キャビア 紀州スターレット」の原材料は、和歌山県内で養殖されたコチョウザメの魚卵と岩塩のみです。
保存料や防腐剤は使用せず、味付けにも岩塩のみを使用しています。
さらに、マイナス40℃で凍結処理することで品質を管理し、加熱処理を行わない「生キャビア」として商品化されています。
近畿大学によると、キャビア本来の純粋な味に加え、ナッツのような芳醇な香りと深いコクを楽しめるのが特徴です。
新宮市高田では30年以上前からチョウザメを研究
「紀州スターレット」と新宮市のつながりは、30年以上前にさかのぼります。
近畿大学水産研究所がチョウザメの研究を始めたのは、1995年(平成7年)です。
新宮市高田にある新宮実験場では、長年にわたってチョウザメの研究開発を進め、養殖技術の効率化や持続可能な発展に向けた研究に取り組んできました。
「紀州スターレット」は、こうした30年以上にわたる研究成果を生かして生産されています。
キャビア生産には「オスも長期間育てる」という課題があった
キャビアを生産できるのは、卵を持つメスのチョウザメだけです。
しかし、従来のチョウザメ養殖には大きな課題がありました。
チョウザメは4歳ごろまで外見からオスとメスを判別することが難しく、養殖池ではオスとメスをおよそ半数ずつ長期間育てる必要がありました。
そのため、キャビアを生産できないオスについても、メスと同じように餌代や飼育スペースなどが必要となります。
キャビアを効率よく生産するには、できるだけ早い段階でオスとメスを判別することが課題となっていました。
2022年に「超早期DNA性判別技術」を確立
この課題の解決につながったのが、新宮実験場で確立された「超早期DNA性判別技術」です。
2022年、近畿大学水産研究所新宮実験場では、ふ化後わずか約2カ月のチョウザメの稚魚から、オスとメスを判別できる技術を確立しました。
判別に使用するのは、稚魚の体表にある粘液です。
体表粘液からDNAを採取することで、魚体を傷つけることなく、短時間かつ低コストで雌雄を判別できるようになりました。
これにより、育成の早い段階でオスを選別し、養殖池をメス100%の環境にすることが可能に。近畿大学によると、キャビアの生産効率を従来の2倍に向上させることに成功しています。
この「超早期DNA性判別技術」は研究段階にとどまらず、今回一般販売が始まった「近大キャビア 紀州スターレット」の生産にも実際に導入されています。
「全雌化」など次世代の研究も進む
新宮実験場では、さらに効率的で持続可能なキャビア生産を目指した研究も続けられています。
近畿大学が将来に向けて取り組んでいる研究の一つが、育成初期の段階でオスをメスにする「全雌化」です。
今回実用化されている「超早期DNA性判別技術」は、オスとメスを早期に見分け、メスだけを選んで養殖するものです。
一方の全雌化は、育成初期のオスをメスにすることを目指す研究で、両者は異なる技術です。
近畿大学水産研究所では、将来的なキャビアの持続可能な安定供給や資源保護を見据え、こうした次世代の養殖技術についても研究を進めています。
「紀州スターレット」はどこで購入できる?
「近大キャビア 紀州スターレット」は、アーマリン近大の公式オンラインショップなどで購入できます。
また、和歌山県内の複数の店舗でも取り扱われます。
販売先として発表されている店舗・オンラインショップは次のとおりです。
| 販売先 | 所在地など |
|---|---|
| アーマリン近大 公式オンラインショップ | オンライン |
| MOOD MARK by ISETAN | オンライン |
| 茜・千畳茶屋 | 白浜町 |
| 休暇村 紀州加太 | 和歌山市 |
| 尾﨑酒造 KUMANO SAKE GATE | 新宮市 |
| 勝浦海産物センター | 那智勝浦町 |
| フィッシャーマンズ・ワーフ白浜 | 白浜町 |
新宮市内では、2026年10月1日にオープン予定の「尾﨑酒造 KUMANO SAKE GATE」が販売店として発表されています。
KUMANO SAKE GATEは、新宮市で日本酒を造る尾﨑酒造の直営店としてオープンする予定です。店舗の場所や提供されるサービスなどについては、「KUMANO SAKE GATE」のオープン情報をまとめた記事で詳しく紹介しています。
新宮市で養殖・製造された「紀州スターレット」を、市内で購入できる場所も登場することになります。
※販売状況や在庫などは変更される場合があります。購入の際は各販売店の最新情報をご確認ください。
新宮市で積み重ねられた研究成果が商品に
「近大キャビア 紀州スターレット」は、新宮市高田で長年続けられてきたチョウザメ研究の成果を生かして生産される国産キャビアです。
1995年に始まった研究は、2022年の「超早期DNA性判別技術」の確立によって、ふ化後約2カ月という早い段階でオスとメスを判別できるまでに進展しました。
そして、その技術を実際の養殖に導入して生産されているのが、今回一般販売が始まった「紀州スターレット」です。
全国的には「近大マグロ」のイメージが強い近畿大学の養殖研究ですが、新宮市でも30年以上にわたって研究が続けられています。
新宮で積み重ねられてきた研究が一つの商品として広く販売されることになった「近大キャビア 紀州スターレット」。今後の研究や商品の広がりにも注目です。
参照元:プレスリリース



コメント