【10月15日更新】
新宮市は10月15日、不正アクセスが確認された防災情報配信システムについて、委託会社による安全性の確認が完了し、新たな利用登録などが可能になったと発表しました。
また、今回の件について、個人情報保護法に基づき、国の個人情報保護委員会へ報告(速報)を行ったことも明らかにしています。委託会社からも同委員会への報告が行われています。
新宮市は、防災行政無線の放送内容をメールや電話で届ける「新宮市メール、電話配信サービス」について、登録者の個人情報が漏洩した可能性があると発表しました。
原因は、配信システムを運営する株式会社アルカディアへの第三者による不正アクセスです。
漏洩した可能性がある情報には、登録者の名前やメールアドレス、電話・FAX番号が含まれています。
現時点では情報漏洩の詳しい影響範囲は調査中で、新宮市は不審なメールなどに注意するよう呼びかけています。
この記事では、今回の不正アクセスの概要や登録者が注意したいこと、近年こうした被害が相次いでいる背景について紹介します。
新宮市の防災情報配信サービスで不正アクセスを確認
今回、不正アクセスが確認されたのは、新宮市が防災情報の配信を委託している株式会社アルカディアのシステムです。
同社は、防災行政無線の放送内容をメールや電話などで登録者に届けるサービスを提供しています。
新宮市が発表した内容と、株式会社アルカディアの公表情報を整理すると、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象サービス | 新宮市メール、電話配信サービス |
| 運営事業者 | 株式会社アルカディア |
| 発生した事象 | 第三者によるシステムへの不正アクセス |
| 不審な挙動の確認 | 2026年10月11日 |
| 応急措置 | 10月12日に侵入経路を遮断 |
| 安全性の確認 | 10月15日、新宮市が委託会社による安全性の確認を発表 |
| サービスの利用 | 新規登録などが可能 |
| 個人情報漏洩の状況 | 影響範囲を調査中 |
株式会社アルカディアによると、10月11日午後4時30分に不正アクセスが疑われる動きを確認。翌12日午前3時ごろに侵入経路を塞ぐ応急措置を講じました。
その後の調査で侵入経路が判明し、一部サービスの緊急停止や、不正アクセス元のIPアドレスを遮断する対応を実施しています。
なお、今回の発表は個人情報が「漏洩した可能性がある」という段階であり、新宮市の登録者情報が実際に外部へ流出したと確定したわけではありません。
漏洩した可能性がある個人情報は?
新宮市によると、「新宮市メール、電話配信サービス」の登録者について、次の個人情報が漏洩した可能性があります。
- 連絡先のお名前
- メールアドレス
- 電話番号
- FAX番号
これらは、防災情報を受け取るために登録された連絡先情報です。
また、株式会社アルカディアは、自社サービス全体で担当者情報や契約情報、配信履歴に保存されている本文などについても漏洩の可能性があると説明しています。
同社が10月13日に公表した漏洩の可能性がある情報の最大件数は、メールアドレス約313万6,000件、電話番号約10万5,000件、FAX番号約1万5,000件です。
ただし、これらは同社の対象サービス全体に関する推定値であり、新宮市の登録者数や漏洩件数を示したものではありません。
今後の調査によって、対象となる情報や件数が変わる可能性もあります。
登録者は不審なメールや電話に注意
今回の不正アクセスを受け、新宮市は登録者に対して、不審なメールなどに十分注意するよう呼びかけています。
名前やメールアドレス、電話番号などが第三者に知られた場合、それらを悪用した迷惑メールや詐欺の連絡が届くおそれがあります。
特に、次のような連絡には注意が必要です。
- 知らない送信元からのメール:記載されたURLや添付ファイルを安易に開かない
- 個人情報の入力を求めるメール:氏名、住所、パスワード、口座情報などを入力しない
- 行政機関や企業を名乗る不審な連絡:相手が本物かどうか、公式の連絡先から確認する
- 不審な電話やSMS:その場で個人情報を伝えたり、指示に従って操作したりしない
今回の件に便乗し、「登録情報の確認が必要」「安全対策のため手続きをしてください」などと偽る連絡が届く可能性も考えられます。
メールの文章が自然であっても、必ずしも安全とは限りません。
少しでも不審に感じた場合は、メール内のリンクを開かず、新宮市や関係機関の公式情報を確認するようにしましょう。
新宮市では、不審なメールや電話、悪質商法などの被害を防ぐため、国民生活センターが発行する「見守り新鮮情報」も紹介しています。
最近の詐欺の手口や、被害に遭わないためのポイントについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています。

なぜ最近、不正アクセスや情報漏洩が相次いでいる?
近年、企業や自治体などへの不正アクセス、個人情報漏洩に関するニュースを目にする機会が増えています。
その背景には、インターネットを利用するサービスの拡大や、サイバー攻撃の手口が巧妙になっていることなどがあります。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表した「情報セキュリティ10大脅威 2026」でも、ランサム攻撃や委託先を狙った攻撃、AIの利用に伴うサイバーリスクなどが重要な脅威として挙げられています。
企業や自治体のシステムが狙われやすくなっている
現在は、企業や自治体が多くの業務をインターネット上のサービスに頼っています。
便利になる一方、システムの設定ミスや、セキュリティ上の弱点が悪用されるリスクもあります。
また、攻撃者は自動化されたツールなどを使い、弱点のあるシステムを広範囲に探すことができます。
委託先のシステムも攻撃対象に
企業や自治体自身がセキュリティ対策を行っていても、業務を委託している事業者のシステムが攻撃を受ける場合があります。
IPAの2026年版の調査でも、「サプライチェーンや委託先を狙った攻撃」が組織向けの脅威の第2位となっています。
今回の新宮市の事案も、委託先のシステムで不正アクセスが確認されたケースです。
ただし、今回の攻撃が委託先であることを狙って行われたのか、具体的な攻撃手法については明らかになっていません。
AIの進化もサイバー攻撃に影響
最近では、生成AIの悪用も新たな問題となっています。
例えば、AIを使えば自然な日本語の偽メールを作成しやすくなり、従来よりも詐欺メールを見分けにくくなる可能性があります。
また、攻撃に必要な情報収集やプログラム作成などをAIが補助することで、攻撃の効率化につながることも懸念されています。
IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2026」では、「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が組織向けの脅威として初めて選ばれ、第3位となりました。
ただし、不正アクセスが増えている原因をAIだけに求めることはできません。従来からあるシステムの弱点や、盗まれたパスワードの悪用なども重要な問題です。
また、今回の株式会社アルカディアへの不正アクセスにAIが使われたという情報は公表されていません。
今後の情報は新宮市と運営事業者の発表を確認
新宮市は、今回の不正アクセスについて、新しい情報が入り次第お知らせするとしています。
株式会社アルカディアも影響範囲の調査を続けており、調査結果などを公式サイトで公表する方針です。
最新の状況については、以下のページから確認できます。
株式会社アルカディア|不正アクセスによる個人情報漏洩の可能性について
問い合わせ先
新宮市 防災対策課
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 和歌山県新宮市春日1番1号 |
| 電話番号 | 0735-23-3333 |
| 内線 | 4203 |
株式会社アルカディア 個人情報相談窓口
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 電話番号 | 050-5830-0750 |
| メール | info@arcadia.co.jp |
| 受付時間 | 午前9時~午後5時 |
| 休業日 | 土日祝日・年末年始 |
防災情報を利用している方は今後の発表にも注意を
今回の不正アクセスでは、新宮市の防災メール・電話配信サービスに登録された個人情報が漏洩した可能性があります。
10月15日には、委託会社によるシステムの安全性の確認が発表され、新たな利用登録などが可能になりました。
一方、個人情報漏洩の影響範囲については引き続き調査中です。登録者は不審なメールや電話などに注意し、行政機関やサービス運営会社を名乗る連絡であっても、安易に個人情報を伝えないようにしましょう。
今後も、新宮市や運営事業者から発表される最新情報を確認することが大切です。



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