台風や大雨、地震などの災害が発生した際、「新宮市 避難所」と検索して避難場所を確認する方は多いでしょう。しかし、避難所は「近い場所へ行けばよい」というものではありません。
しかし、避難所は「近い場所へ行けばよい」というものではありません。災害の種類によって利用できる避難場所は異なり、避難のタイミングや避難先にもルールがあります。
本記事では、新宮市が公表している最新の防災資料をもとに、避難情報の見方や避難所の種類、安全レベル(☆印)の見方、福祉避難所の利用方法、避難時の持ち物まで、市民の皆さんが知っておきたいポイントをわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 新宮市の避難情報(警戒レベル)の見方
- 新宮市の避難所3種類の違い
- 福祉避難所の利用方法と対象者
- 避難場所の安全レベル(☆印)の見方
- 津波避難時に確認すべきポイント
- 避難時の持ち物と行動のポイント
新宮市の避難情報は「警戒レベル」で確認しよう
災害時に市から発表される避難情報は、令和3年(2021年)の災害対策基本法改正により、「警戒レベル」に応じて全国共通の名称で運用されています。
避難のタイミングを判断するためには、それぞれの警戒レベルの意味を正しく理解しておくことが大切です。
警戒レベル3「高齢者等避難」
高齢者や障がいのある方、妊産婦、乳幼児がいる家庭など、避難に時間がかかる方はこの段階で避難を開始します。
それ以外の方も、いつでも避難できるよう持ち物を準備し、避難経路や避難先を再確認しておきましょう。
警戒レベル4「避難指示」
危険な場所にいる方は、全員が避難する段階です。
令和3年の制度改正により、これまで発表されていた「避難勧告」は廃止され、「避難指示」に一本化されました。警戒レベル4が発令されたら、ためらわずに安全な場所へ避難することが重要です。
警戒レベル5「緊急安全確保」
すでに災害が発生している、または切迫している極めて危険な状況です。
この段階では避難所への移動がかえって危険な場合もあるため、近くの頑丈な建物へ移動したり、自宅の上階や崖・河川から離れた部屋へ移動したりするなど、その場で命を守るための最善の行動をとりましょう。
警戒レベル5は「避難を始める合図」ではなく、すでに命の危険が迫っている状況です。安全に避難するためには、警戒レベル4までに避難を完了しておくことが重要です。
新宮市の避難所は3種類ある
「避難所」と一言でいっても、目的や利用方法はそれぞれ異なります。災害時に慌てないためにも、それぞれの役割を事前に理解しておきましょう。
① 指定緊急避難場所
指定緊急避難場所は、災害から命を守るために一時的に避難する場所です。
洪水や土砂災害、津波など、災害の種類ごとに指定されており、すべての施設があらゆる災害に対応しているわけではありません。避難する際は、発生している災害に対応した避難場所を選ぶことが重要です。
② 指定避難所
指定避難所は、自宅が被災して生活を続けることが難しくなった場合に、一定期間避難生活を送る施設です。
主に小中学校の体育館や公民館などが指定されており、避難者の受け入れや生活支援、物資の配布などが行われます。
③ 福祉避難所
福祉避難所は、一般の避難所での生活が困難な方が安心して避難生活を送るための施設です。
対象となるのは、次のような方です。
- 高齢者
- 障がいのある方
- 妊産婦
- 乳幼児
- 病弱な方
- その他、特別な配慮が必要な方
ただし、介護施設や医療機関への入所・入院が必要な方は対象外となります。
新宮市では、特別支援学校や高齢者施設など23施設(令和6年11月20日現在)が福祉避難所として指定されています。
福祉避難所は直接避難できない
福祉避難所は、災害発生時に直接避難する施設ではありません。
まずは小中学校などの指定避難所へ避難し、避難所での生活が難しいと市が判断した場合に、福祉避難所へ移送される仕組みとなっています。
また、福祉避難所への移送は家族などによる対応が原則ですが、それが難しい場合には、状況に応じて市が移送を行うこともあります。
福祉避難所は一般の避難所とは利用方法が異なるため、対象となる方や家族は、事前に制度の流れを確認しておくと安心です。
避難所は常時開設されているわけではない
指定避難所や指定緊急避難場所は、いつでも利用できるわけではありません。
避難所の開設は、台風や大雨、地震などの災害状況や被害の予測を踏まえ、市が総合的に判断して行います。そのため、災害の種類や規模によっては、自宅から最も近い避難所ではなく、別の施設が開設されることもあります。
避難所へ向かう前には、必ず最新の開設状況を確認しましょう。新宮市では、市公式ホームページや防災行政無線、市からの広報などで避難所の開設情報が案内されます。
思い込みで避難所へ向かうと、まだ開設されていなかったり、別の避難所へ案内されたりする可能性があります。災害時には、落ち着いて最新情報を確認してから避難行動をとることが大切です。
避難場所の「安全レベル(☆印)」を確認しよう
新宮市では、指定緊急避難場所ごとに「安全レベル(☆印)」が設定されており、避難場所を選ぶ際の目安となっています。
基本的な見方は次のとおりです。
- ☆の数が多いほど安全性が高い
- 「☆(注)」は安全性が十分ではないため、より安全な避難場所への避難が推奨される
ただし、ここで特に注意したいのが、安全レベルは災害ごとに異なるという点です。
同じ避難場所でも、
- 土砂災害には安全
- 洪水では一部浸水のおそれがある
- 津波や地震では避難場所に指定されていない
といったように、災害の種類によって評価が変わることがあります。
たとえば、緑丘中学校体育館は、土砂災害では「☆☆☆」と高い安全性が示されていますが、洪水では「☆☆」となっており、地震や津波の避難場所には指定されていません。
このように、「近くにあるから」という理由だけで避難場所を選ぶのは危険です。避難する際は、現在発生している、または発生が予測される災害に対応した避難場所かどうかを確認し、それぞれの災害に応じた安全レベル(☆印)を参考に行動しましょう。
中核避難所とは?
新宮市の指定避難所の中には、避難所運営の中心的な役割を担う「中核避難所(◎印)」が指定されています。
中核避難所は、一般的な避難所として利用されるだけでなく、災害時には物資の集積や配布、避難所運営の拠点として重要な役割を果たします。
代表的な中核避難所には、次のような施設があります。
- 神倉小学校体育館
- 佐野会館
災害が大規模になった場合には、多くの避難者や支援物資が集まる重要な施設となるため、住んでいる地域の中核避難所がどこにあるのかを事前に確認しておくと安心です。
熊野川地区では避難所選びに注意
熊野川地区にある嶋津集会所は、土砂災害警戒区域等の危険箇所に位置しているため、避難場所として利用する際には注意が必要です。
新宮市では、嶋津集会所ではなく、より安全な避難所を利用するよう案内しています。
このように、避難所として指定されている施設であっても、地域の地形や災害リスクによって利用方法が異なる場合があります。
自宅や勤務先の近くにある避難所だけでなく、その施設がどの災害に対応しているのか、安全に利用できるのかをあらかじめ確認しておくことが、いざというときの迅速な避難につながります。
津波避難では「高さ」と「海抜」の両方を確認しよう
津波から命を守るためには、建物の中へ避難するだけでは十分ではありません。重要なのは、指定された高さまで避難することです。
新宮市の津波一時避難施設では、施設ごとに避難場所が細かく指定されており、
- 3階以上の廊下
- 屋上
など、避難すべき場所が明記されています。建物に入っただけで安心せず、必ず指定された階や場所まで移動しましょう。
また、新宮市では各津波一時避難施設の海抜も公表しています。
たとえば、
- 新宮市庁舎別館4階屋上:約18.9m
- 丹鶴城公園:約42.3m
となっており、避難場所の高さを事前に確認することができます。
津波は短時間で到達することもあるため、自宅や職場の近くにある津波一時避難施設と、避難すべき階数・海抜を普段から確認しておくことが大切です。
避難する前に確認しておきたいこと
避難時は慌てて行動すると、思わぬ事故やケガにつながることがあります。安全に避難するためにも、家を出る前にできる範囲で必要な確認を行いましょう。
火気や電気の安全を確認する
避難する際は、火災などの二次災害を防ぐため、次のような点を確認しておくことが大切です。
- ガスの元栓を閉める
- 火を完全に消す
- 電気機器の電源や安全を確認する
ただし、すでに危険が迫っている場合は、無理に確認作業を行わず、命を守ることを最優先に避難してください。
非常持ち出し品は必要最小限にまとめる
避難時は荷物が多すぎると素早く移動できません。持ち出し品は必要最小限にまとめ、すぐ持ち出せる場所に準備しておきましょう。
主な持ち物の例は次のとおりです。
- 飲料水
- 非常食
- 懐中電灯
- 携帯ラジオ
- 常備薬
- 現金
- 預金通帳
- 身分証明書
- 最小限の着替え
必要に応じて、モバイルバッテリーや乳幼児用品、介護用品なども準備しておくと安心です。
安全な服装で避難する
避難する際は、動きやすく安全な服装を心掛けましょう。
- 必ず靴を履いて避難する
- ヘルメットや防災ずきんなどで頭を保護する
- 両手が使えるようリュックなどを活用する
ガラス片や倒壊物が散乱している可能性もあるため、サンダルではなく歩きやすい靴を履き、身軽な服装で避難することが大切です。
災害時は周囲と協力して行動しよう
災害時は、状況が刻々と変化するため、一人で行動するよりも家族や地域の人と協力しながら避難することが安全につながります。
避難する際は、次のような点を意識しましょう。
- 家族同士で声を掛け合い、全員の安全を確認する
- 近所の方と協力して避難する
- 高齢者や障がいのある方、子どもなど、避難に時間がかかる方へ配慮する
また、避難所では多くの人が共同生活を送ることになります。
新宮市でも、「お互いいたわる心を忘れずに」という姿勢が呼びかけられています。譲り合いや助け合いの気持ちを持って行動することで、避難生活での不安やストレスを軽減し、誰もが安心して過ごせる環境づくりにつながります。
自分や家族の安全を守ることはもちろん、周囲への思いやりを持って行動することも、災害時には大切な備えの一つです。
日頃から避難場所を確認して災害に備えよう
災害は、いつ発生するか予測できません。だからこそ、避難が必要になってから避難所を探すのではなく、普段から自宅周辺の災害リスクや避難場所を確認しておくことが大切です。
また、避難場所は災害の種類によって異なり、同じ施設でも、洪水や土砂災害、津波など災害の種類によって安全レベルが変わる場合があります。避難所の場所だけでなく、どの災害に対応しているのか、安全レベル(☆印)はどうなっているのかもあわせて確認しておきましょう。
高齢者や障がいのある方など、配慮が必要な家族がいる場合は、福祉避難所の利用方法や避難の流れを事前に把握しておくことも重要です。あわせて、非常持ち出し品の準備や家族との避難経路・連絡方法についても話し合っておくと、いざというときに落ち着いて行動できます。
なお、新宮市の避難所情報は、施設の追加や指定内容の変更などにより更新されることがあります。最新の情報は新宮市公式ホームページで定期的に確認し、日頃から「知っている備え」だけでなく、「すぐに行動できる備え」を心掛けておきましょう。
参照元:新宮市 避難(指定避難所・指定緊急避難場所)、避難(津波一時避難施設・場所)、福祉避難所の指定状況について、新たな避難情報(名称変更等)について



コメント